カミンズエンジンといすゞ

日本を代表するトラック・バスメーカーであるいすゞ。
そんないすゞですが、2019年よりパワートレイン事業においてカミンズと協業しています。
カミンズは、アメリカのエンジンメーカーで、同社の製造するディーゼルエンジンは世界中のトラックやバス、重機、鉄道車両、船舶などあらゆる用途で使用されています。

北米向けフォワード
いすゞは、2021年のマイナーチェンジより北米(アメリカ、カナダ)向けのフォワード(Fシリーズ)でカミンズ製B6.7(6.7L、直列6気筒)を採用しており、アリソン製ATと組み合わせています。また、余談ですが、このB6.7エンジンは従来使用していた4HK1(5193cc、直列4気筒)よりも排気量が大きく、最大出力も260HPにパワーアップするという副次的効果ももたらしています。一方で、エルフ(Nシリーズ)の方は今でも4HK1エンジンを継続しています。ちなみに、エルフではガソリン車の設定もありますが、いすゞはガソリンエンジンを内製していないためか、ガソリンエンジンは他社から供給を受けています。
北米向けフォワードに搭載されるB6.7エンジン
カミンズといえば赤いエンジンです。
B6.7エンジン搭載車は今後他国(日本含む)でも展開が行われ、日本で組み立てられる車両に搭載されるものについてはいすゞ栃木工場で製造される予定です。日本国内向けでは、フォワード(FV〇系、FT〇系)とエルガで採用されるだろうと個人的に予想しています。

アナドールいすゞのバス
大型路線バスのシティポート12(Citiport 12)
トルコのアナドールいすゞ(Anadolu Isuzu)では、いすゞ×カミンズの協業とは関係なく多くのバス車種でカミンズエンジンを採用しています。
L9(8.9L、直列6気筒):シティポート18(連接路線バス)、シティポート12(大型路線バス)、ケンドー12.3/ケンドー13(大型観光バス)
B6.7(6.7L、直列6気筒):シティポート12(大型路線バス)、ビジゴー(中型観光バス)
B4.5(4.5L、直列4気筒):シティバス(中型路線バス)
ISB4.5(4.5L、直列4気筒):グランドトーロー(中型観光バス)
ちなみに、シティバスやビジゴーは元々4HK1エンジンを採用していましたが、Euro6適合の際にカミンズエンジンに変更されました。Euro6適合車種で4HK1エンジンを使用しているのはエルフベースの小型バス各種(ターコイズ、ノボ、ノボシティ)のみとなっています。