日本の鉄道車両の貫通路は、海外より劣っている―安全性、静粛性などの観点から

日本の鉄道が海外と比較してお金をかけない傾向にあるものの1つとして、車両連結部の貫通路が挙げられます。今日の諸外国(日本製輸出向け車両含む)では当たり前にやっている対策を、日本ではやっていないことが多いのです。

安全対策

貫通幌の下部に出っ張り(スカート)を設けて、渡り板の隙間を埋める対策は海外では当たり前です。渡り板の隙間を埋めることにより、踏み外す危険性がなくなり、また放尿や嘔吐などの汚損行為防止(アンチヴァンダリズム)効果もあります。

しかし、日本ではこのような対策は、内壁が付いた新幹線や特急を除き、路面電車以外ではほとんど行われていません。


防音対策

二重幌
画像の幌では外幌、内幌がそれぞれ外側、内側に出っ張っているが、
必ずしもその組み合わせとは限らない。
貫通扉を設けている場合は、貫通路自体の防音にこだわる必要性は高くありませんが、扉を省略している場合は車内に車外騒音が入り込む要因となります。海外の通勤電車では、貫通路の扉を省略することが多いのですが、その多くは二重幌(外幌と内幌から構成)あるいは内壁を採用して遮音性を上げているため、そこまで問題にはなりません。
二重幌を使う代わりに、内壁を設ける手もある。
内壁付の貫通路は、日本では新幹線や特急以外での
採用例はほとんどないが、海外では逆で通勤電車に多い。
(画像:Wiki)
しかし、日本では、貫通扉を片方or両方省略した車両であっても遮音性の劣る1枚幌が一般的です。かといって、内壁は新幹線や特急以外ではほとんど使われませんし、防音幌(大江戸線他)や海外式の二重幌(新潟トランシス製路面電車)なども採用例はごく一部に過ぎません。

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